和歌山県海南市下津町で、新築のお客様の「ヘリなし畳を入れたい!」案件を施工してきました。
今回のご希望は、**ダイケン和紙の清流カラー(白茶色×灰桜色)**で、市松っぽく見える仕上げ。
ただし条件がひとつ。いや、正確には“でっかい条件”がひとつ。
本来は半畳9枚が理想の寸法なのに、お客様の希望は半畳6枚。
しかも部屋寸法が「長手8尺5寸・短手7尺」。
この時点で職人の脳内はこうです。
「よし、頭の中で畳が回転し始めたぞ…(良い意味で)」
今回の施工内容(ざっくりまとめ)
「9枚が理想」なのに「6枚」ってどういうこと?
ここ、めちゃ大事なんで分かりやすく言います。
一般的に、空間のバランスと割付(わりつけ=どう割って敷くか)を考えると、
**半畳9枚(3×3)**って、見た目も納まりも安定しやすい“優等生”です。
でも今回は、お客様が
「半畳6枚でスッキリした感じにしたい」
というご希望。
希望は正義。ここは職人が合わせに行く番です。
難所(本音):材料幅1mの“壁”が立ちはだかる
今回いちばん難しかったのは、寸法そのものより 「折り方向の制限」。
短手側の割付を考えると、半畳1枚が約3500厘(※大工さんの“厘”感覚で、ざっくりmm換算すると約1060mm前後のイメージ)になってきます。
ところが、材料(畳表)は幅に限界があって、だいたい巾は1000㎜。
さらに折しろをいれると1150㎜は必要………
つまり何が起きるかというと、
- 「巾方向で折って、きれいに持っていく」ということが出来ない
- だから、長手は“かまち方向”で縫う設計に寄せる
- 巾方向は短手側に持ってきて折るしかない場面が出る
…はい、ここで職人の脳内にもう一回出ます。
「よし、畳がさらに回転し始めたぞ…(2回目)」
ただ、ここは闇雲にやると負けます。
採寸 → 割付 → 目地(めじ)の通り → 納まり → 角の出方 → 見切り(みきり)
全部つながってるから、順番を崩すと最後にツケが来る。
だから今回は最初に、
「どこで逃がすか」じゃなくて
**「どこで逃がせないか」**を先に確定させて、逆算で組みました。
市松に見せる“カラクリ”:並び敷き×2色
ここも誤解されやすいポイント。
ヘリなし畳の本当の“市松敷き”って、畳の向きを交互に変えることで、光の当たり方が変わって市松に見えるパターンが多いです。
でも今回みたいに、割付や縫い方向の制限があると、畳の向きを自由に振れない場面が出る。
そこで今回は、
並び敷き(目の向きは揃う)
→ その代わり 2色を交互に使って“市松風”に見せる
という作戦にしました。
もし1色だけだと、目の方向が全部同じなので、パッと見で「市松感」が出にくい。
だから、白茶色×灰桜色の2色を使って、見た目のメリハリを作っています。
しかもここ、地味に嬉しいポイントとして…
当店は、色を何色使っても値段は変わりません。
これ、安心して相談してもらって大丈夫です。
価格と納期の話(煽らず、でも事実として)
最近はニュースを見ても分かる通り、世界情勢の影響で「材料価格」や「物流(納期)」が動きやすい時期があります。
畳床やヘリ、内装材料も例外じゃないです。
ただ、必要以上に怖がらせたいわけじゃなくて、言いたいのはこれだけ。
- 「替えたいな」と思ったタイミングがあるなら
- 早めに段取りしておく方が、選べる幅が広い
当店もできる限り、在庫や仕入れの工夫で、価格が急に跳ねないように努力しています。
施工まとめ(箇条書き)
- 海南市下津町/新築
- ヘリなし畳(半畳)6枚で割付
- ダイケン清流カラー:白茶色×灰桜色
- 9枚が理想の寸法を、色使いと割付で“市松風”に成立
- 難所:材料幅の制限で折り方向が自由に取れず、縫い方向の設計がシビア
FAQ(よくある質問)
Q1. 半畳6枚でも、市松っぽく見せられますか?
できます。今回みたいに、畳の向きを無理に振れない条件でも、2色使いや割付の組み方で“市松風”に見せることは可能です。現場寸法とご希望を見て、最適解を組みます。
Q2. ヘリなし畳って、普通の畳より難しいの?
難しいです(即答)。角の出し方・寸法精度・目地の通りが目立つので、施工の丁寧さが仕上がりに直結します。その分、決まった時の見た目はめちゃくちゃ綺麗です。
畳の色選びや割付の相談は、写真1枚でも話が早いです。気軽にどうぞ。
お問い合わせ(小笠原畳ふすま店)


